2012/07/21 13:10:14

【機動戦士Vガンダム 第51話(最終回)】
カテジナのゴトラタンとの戦闘中、
前後から迫りくるリングに足を挟まれ、身動きがとれなくなるV2

接近しV2を押さえつけるゴトラタン
コックピットから出てきたカテジナがなにやら話出だした

「あたしが好きなんだろ?ウッソ。ずっと愛していたんだよね。」
「あたしも君のような少年にこんなに想われてる。とってもうれしいわ。」
「戦いのけりもついたようだな。君が勝った。でもあたしはクロノクルを愛してしまったから、君と抱き合うことはできない。だから殺してちょうだい。」

「死ぬことなんてありませんよ。もう戦争は終わったはずなんです。」
と、ウッソ。

「どうしようもないでしょ?こうまで君と戦ってきたあたしが、クロノクルのところに逝くしかないのよ。だったら潔く君の手でこのわたしを・・」
と言い、ウッソの元に飛び移るカテジナ。

あっけにとられるウッソ
えっ、なんだ?どうしたんだって顔してます。

抱きつかれたそのあと・・

「甘いよねぇ、坊やぁ!」
と、横っ腹をグサリっ
これは当時、衝撃的でした。

機体から落下するウッソ
そのとき言った言葉が「まったく・・・」
あまりにも無防備すぎる感じだが、ウッソはうすうすわかっていた様な気がする。
それでまったく・・・と一言だけ言ったのではないだろうか。


その後、急いで機体に戻る両者

落下したぶんウッソの方が遅く、一足早く飛び立ち攻撃を加えようとするカテジナ
「クロノクル、白い奴を手向けにしてやる。そしたら・・」
そしたら・・に続く言葉はなんだったのだろうか?
多分この時、あたしもクロノクルの元へ逝くと言いたかったのではないだろうか。

至近距離からビームを放ったのだが、なぜか外れる。

「はずれた!?なんでぇ!」
なぜかビームが外れ動揺したのか、声が思いっきり裏返っています。
外れた理由を考えると、彼女自身もウッソを本気で殺そうと思っていなかったのが心の奥底にあって、その迷いが無意識にそうさせたのではないだろうか。
ウッソを迷惑がっていたが、少なからず今まで自分に好意を寄せていたこともあるし、物語の序盤で
「私だってあなたに死なれたくないわよ、ウッソ。」
とも言っています。
このくらいの時期の男の子は、少し年上の女性に憧れたりしますよね。
さておき本気で殺そうと思っているなら、V2の足が挟まれて動けなくなったときに撃墜していますし、他にも今までいくらでもチャンスはありました。
なのにそれをしないと言うことは、そういうことなのでしょう。
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2012/07/20 22:00:43

【機動戦士Vガンダム 第51話(最終回)】
ウッソとの激しい戦いの末、失明し盲目となったカテジナ

ウーイッグへ向う途中、乗っていたワッパのオートコンパスが壊れ
通りがかった際、たまたまいたシャクティに助けを乞う。
このとき見知らぬ人同士のような会話だったが、
互いがお互いの事を認識していたのだろうか?
シャクティはすぐにカテジナだと気づき、
吠えようとしている犬のフランダースをおとなしくさせました。
そして慈愛の心からか、あえて見知らぬ人のように
接しているように思えた。
一方カテジナは始め、シャクティだと分かっていないようでした。
カルルが自分の名前をしゃべってしまうまでは・・
姿形が見えず声だけで誰だかを当てるのは
意外と分からないものです。

虚ろな表情をして、
「冬が来ると、わけもなく悲しくなりません?」
と聞いてきたカテジナに対し、顔を背ながら
「そうですね・・」
と言うシャクティ。
そのシャクティの表情からは、
変わり果てたカテジナを見ていられなかったようにも思える。
カテジナは別れ際に、
「ありがとう、お嬢さん」と。
相手がシャクティだと分かった上で、あえて自分も
気づいていないような態度をとったと解釈。
そう思った理由はワッパを走らせ去ったあとカテジナは、
「うっ、うっ・・・」
と泣いていて、自分を知っていた上であのように接してくれた
シャクティの心遣いに対してのものだと思います。

その後、カテジナと入れ違いで戻ってきたウッソ達
「シャクティ、誰だったの?」
と聞かれ、
「道に迷った旅人よ」
と答えるシャクティ。
これは当然ウッソ達の事を気遣ってのこと。
そりゃ、「カテジナさんでしたよ」なんて言うわけもいかないし。
気になったのが、「道に迷った」と言う言葉、
はたして言葉通りの意味なのだろうか?
自分は、「道に迷った」=「人生に迷った」とも捉えている。

この涙を流すシーンは、
これから先、あのようになってしまったカテジナが送る人生を思ってなのか・・
第50話でシャクティは
「生きることは厳しいことと知ってください」
と言っているので、このように考えるのが自然です。

かくして、彼女は身よりもなく廃墟となった故郷ウーイッグへ戻るのでした。
富野監督は、
「死よりも重い罰を与えたかった」
「頑張って狂ってくれた彼女を救うには これしか無かった」
と発言しています。
第49話でシャクティに
「カテジナさん、あなたが帰るところはココ(ウッソのところ)ではありません。」
と言われています。
かと言って、クロノクルの元へ逝くこともできず仕舞い。
監督はきっとカテジナに、これから過去の自分を背負い生きながらえさせる事によって、死よりも重い罰をあたえ、それと同時に生きて罪を償わせる事によって、彼女を救いたかったのでしょう。
この機動戦士Vガンダムはとても奥の深い作品だと今でも思っています。
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